真夜中のサングラス

夜中に無意味なことをつらつらと

小説 コンビニ人間 ☆☆

コンビニ人間村田沙耶香さんの第155回(2016年)芥川龍之介賞受賞作

主人公の古倉さんが普通になるためにコンビニで働く話。普通になるというか、普通を装う。
白羽という男が出てくる。彼はいろいろと拗らせた結果、男の悪い部分を煮詰めたような人間。自分の不幸を世間のせいにする他責思考。白羽という男はなかなか駄目な男。
家に泊めてくれた古倉さんに言うことがキツイ。

引用
「古倉さんも、もう少し自覚したほうがいいですよ。あんたなんて、はっきりいって底辺中の底辺で、もう子宮だって老化しているだろうし、性欲処理に使えるような風貌でもなく、かといって男並みに稼いでるわけでもなく、それどころか社員でもない、アルバイト。はっきりいって、ムラからしたらお荷物でしかない、人間の屑ですよ」   

中盤からこの白羽と古倉の関係性が軸に話は動いていく。お互いの利害関係のために恋愛感情は一切ないのに奇妙な同居生活が始まる。

おそらくこの主人公古倉さんは、精神医学でいうと「アスペルガー症候群」と診断されると思われます。人との関わりやコミュニケーションをとることが苦手だったり、興味や行動が偏っていたりするなどの特徴があります。
人と関わること自体はできなくはないのですが、何かの型にはめる、誰かの真似をすることで凌いでいます。「普通」とは何か?がこの作品の根底にはあります。誰だって変なとこはあるが、それが過剰になると変わり者と言われる。その境界線は空気を読むとか世間体とか曖昧なもの。
特に日本はあうんの呼吸とか空気とか、曖昧なものが価値として強く存在する。同調圧力とか。
海外は少ない気がするのはやはり島国と多民族国家の違いはあるのではないだろうか。
海外は海外で別の問題は多いと思うので、どちらが正解というわけではないが、どこへ行っても対人関係の悩みは尽きない。