ダウンタウンの凄さはどこから来るのだろうか

カリスマ性と浜田雅功

成功者になるには、どのような才能が必要なんだろうか。私が理想とし、いつ見てもすごいと思う成功者として、ダウンタウン浜田雅功さんがいます。芸人としてのデビュー以来、常にTVバラエティ界のトップを走り続け、90年代には歌手としても一世を風靡。まさに平成のテレビ界を象徴する芸人さんと言えます。もちろん相方の松本さんもすごい芸人さんですが、どちらかというと松本さんは天才肌なセンスの持ち主なので、孤高の芸術家のような雰囲気を感じます。
今回は単にお笑い芸人としてのセンスだけでなく、圧倒的な人としての凄味を感じる浜田さんの話をします。

 

まず、凄味を感じる理由として、胆力とコミュニケーション能力があると思います。どんな大御所相手にも遠慮なく頭をしばき、むしろ叩かれたいと公言するアイドルやアーティストもたくさんいました。HEY!HEY!HEY!の司会をしていた頃はまだ30代だったと思うのですが、年上の大御所にも物怖じせずバシバシ突っ込んでました。
若い頃はほとんどチンピラのような芸風で、批判的な意見もあったと思います。漫才というよりチンピラの立ち話と揶揄されたりもしていました。しかし、それを圧倒する人気の勢いが余計な批判をかき消すような、台風のような勢いを感じました。最近は自分が大御所となったため、丸くなり貫禄も感じます。
運も才能も持ち合わせデビューから今までずっと売れている。ダウンタウンはなぜこんなにもすごいコンビになったのでしょうか。デビューからという点に一つの鍵があるような気がします。最初から売れっ子というには、つまりその時点でなんかしらの相当な魅力があったのでしょう。しかし、芸人としての技術はその時点では経験がないはずなので、芸人以外の人間的実力のようなものが備わっていたのではないでしょうか。そこが時代の勢いと若さの勢いと相まって一気に加速した。その加速の中で芸人としての経験も備わっていった。

 

根本にあるもの

では、人間的実力とは何か。おそらく知る人ぞ知る、学生時代の過酷な経験が人間的な実力を磨いたのではないでしょうか。刑務所のように規律の厳しい寮生活で、副寮長くらいにまで上り詰めたという逸話があります。
脱走者が現れるような、環境の中で集団生活の中で必要な人間的実力を磨いたのではないでしょうか。特に浜田さんの優れている要素として胆力・根性・交渉力があるかと思います。
特に私がすごいと思ったのが何かのクイズ番組の特番で、まだ若手のダウンタウンが出たエピソードです。たくさんの番組の出演者の集まる中で、それぞれの机の上を土足で走り回る場面がありました。今のテレビでそんなことをやる若手芸人なんていないですね。それなのに干されたりせず、ベテランや大御所にも可愛がられるというのは、人間味の根本が気に入られるのでしょう。

楽屋などでは、とても礼儀正しいという話も聞きます。日本人が人付き合いをする上で「礼儀」というものは、今も昔もとても大事なものですよね。日本の文化の根本にあり、仏教や儒教が生んだ敬意表現。最近は西洋文化の影響も大きいですが、それでも日本人の人付き合いの根本には礼儀の大切さが染みついているような気がします。礼儀とは何かと考えてみると。相手に敬意を払い、相手を立てる。というようなことが自然とできることではないでしょうか。自然にできることで、本当に相手に敬意を持っていることが伝わりますからね。不自然で過剰になると慇懃無礼と思われてしまいます。抜くとこは抜き、締めるところは締める。これが自然にできるというのは、経験や積み重ねの数が物を言うと思います。おそらく過酷な寮生活の集団の中で、体に身についたのではないでしょうか。それが大御所にも愛され、後輩には憧れを抱かれる浜田さんの強みになっているのかと思います。

余談ですが、浜田さんも松本さんも手相に覇王線というものがあるらしいです。これは本当でしょうか。成功者などが持つという覇王線をコンビの二人が持っていたらすごいことですね。まさに伝説のコンビです。